ご挨拶


ERATO-25周年特別シンポジウム


独立行政法人科学技術振興機構

戦略的創造事業本部 本部長 北澤 宏一

 (独)科学技術振興機構のERATOはこれまでそのユニークさが注目され、新たな研究制度として海外でもその導入をはかる国もありました。ERATOがスタートしたのは25年前、日米間の貿易摩擦が取り沙汰され、日本の基礎研究国際貢献不足が指摘されていた時代でありました。ERATO第1期生(1981年研究開始)はその後の日本の輝かしい化合物半導体時代を開いた西澤潤一氏や現在のアモルファス金属の世界をリードした増本健氏、世界のナノ・サイエンスのさきがけとなった緒方直哉氏のファインポリマー、林主税氏の超微粒子プロジェクト(各5年間)でした。

 これまで85人が選ばれ、私たちの最近の調査ではそのうちの約半分が「新たな研究の潮流を開いた」と評価され、4人のうち3人は世界のその分野のリーダーであるとして認められました。その意味で、本制度は「基礎研究国際貢献」という1980年代の我が国の悲願を実現する旗艦船としての役割を果たしてきたと判定したいと考えております。我が国の基礎研究国際貢献における重みはこの20年間非常に大きな進歩を見せ、世界における研究論文シェアも経済規模シェアに徐々に近づいてきています。
 21世紀になって世界は研究開発メガコンペティションと言われる時代となりました。たとえばナノテク研究開発予算は日米欧3極が競う形で計画が立てられ、そこにBRICs諸国が加わる情勢となっています。このため2006年からの世界はさらにその後の計画において「イノベーション」をキーワードとして採用するようになりました。我が国でも第3期科学技術基本計画でイノベーションが主要な課題とされています。

 JSTでは3年前からイノベーションに適した社会体制の検討を開始し、JSTの存在意義の1つを「シームレス・イノベーションシステム」と捉えています。その観点からERATOをみると大きな産業展開につながりそうな最近のERATOプロジェクトがいくつかあることが分かりました。今回のERATOー25ではその一部が紹介されます。

 また、ERATO−25ではこれからの日本のイノベーションシステムはどうあるべきかを、米国議会の日本技術ウォッチング機能を担っていたJーTECのGamota氏をお招きして、第3期の基本計画においてイノベーションを推進される総合科学技術会議柘植綾夫議員、ERATOを創られた千葉玄彌氏、ERATO評価を担当された池上徹彦氏とともに議論して頂きます。

 今回のERATO−25は米国科学財団NSF元長官のColwell氏がNSF−50の開催と併せてその開催を私たちに勧めて下さったことがきっかけとなっています。そこでColwell氏にもご来日頂き、有馬朗人氏、生駒俊明氏とともに未来の世界の科学技術を論じて頂こうと思います。

 皆様万障お繰り合わせの上ご来場下さいますようご案内致します。

 

「ERATO-25周年特別シンポジウム」
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